子どもを支配しようとする親は自己評価が低い
子どもに対して過保護な親というのは、心配性であり、恐がりである。
そのため子どもを危険な目に遭わせないよう、簡単なことでも子どもの替わりに自分がやってしまう。
そのため、子どもは成功したり失敗したりという貴重な経験を積むチャンスを失ってしまう。
一方、子どもに対して過干渉、つまり、いちいち口うるさい親も、別の目的で子どものチャレンジ精神を潰して、成功したり失敗する経験を積むチャンスを失わせる。
こういう過干渉の親というのは、自己評価が低い親か、自己評価は高いが不安定な親で、子どもをいちいちコントロールすることで、自分の自尊心を保とうとしているのだ。
自己評価を上げる方法はいくつかあるのだが、大きな犬や危険なペットを飼ったり、子どもや家族を従わせるというのもその一つである。
大きな犬や危険なペットを飼ったりすると、知り合いや他人から「凄い」と言われ、自己評価が上がる。
また子どもや他人を自分に従わせることができると、自分に何らかのリーダーシップがあると感じられ、自己評価を高めることができる。
なので自己評価が低い親や、自己評価は高いが不安定な親は、子どもに言うことをきかせることで自尊心を高く保とうとするわけだ。
ところがそれは逆に、従わせられた子どもや家族の自己評価を下げることになる。
人一人の自己評価を上げる替わりに、それ以上の人数の自己評価を下げるわけだから、こういうタイプの人は、厄介者扱いされるのはまちがいない。
過保護・過干渉・過許可
子育てで問題になるのは、過保護・過干渉・過許可の3つだという。
過保護も過干渉も、子どもが自分で挑戦し、成功したり失敗するという経験を積む貴重なチャンスを奪うもので、子どもの能力肯定力を削ぐ可能性が高い。
そして能力肯定力がない人というのは、やりたいことがあっても、周囲の反対を恐れて自分のやることや判断を尊重しないため、自分の望まぬ人生を送る可能性が高くなる。
非常に無難だが、後悔ばかりの人生。
あるいは無難すらもなくなってしまう人生だ。
一方、子どもの要求を全て受け入れる「過許可」は、子どもをわがままに育ててしまう原因になる。
自分の言うことが通らないとキレてしまい、暴れたり大声を出したりする子ども。
これは自分の欲望をコントロールしたり、我慢する訓練ができていないことを意味する。
自分で考えたり苦労する経験が少ない子どもは、こうして暴れたりキレることで自分の要望を通そうとするらしい。
個別指導塾で10年以上教えていた経験から言うと、こういうタイプの子どもというのは、抽象的思考ができず、文章題ができない印象がある。
基本的な読み書きの訓練が圧倒的に足りておらず、比較するということができないのだ。
ただしこういう子どもは能力肯定感は強く、自己評価が高い。
勉強ができなくても、チャレンジ精神が旺盛なのが良いか、チャレンジ精神がなくても、勉強できる方が良いのか、このあたりはなかなか難しいところだね。