防衛機制 自己評価を守る戦略・メカニズム
自己評価は、毎日変化する。
うまく行ったことがあれば自己評価は上がるし、逆に失敗すると自己評価は下がる。
そして自己評価が上がると、やる気が起こり、積極的な行動が増えるが、逆に自己評価が下がると、やる気を失い、行動も消極的な行動が増える。
自己評価が高い方が良いか、それとも低めの方が良いかについては、いろんな意見があるだろうが、自己評価が低すぎるのはとにかく危険だ。
というのも自己評価が下がりすぎると、生きる気力もなくなってウツ病の状態になったり、悲観して自殺を企てたりするからだ。
そういう事態を避けるため、我々は自分でも気がつかないうちに、自己評価を上げようとしたり、守ろうとしたりしている。
これは「防衛機制」(defence mechanisms)と呼ばれる心の働きで、安定した心を保つには、どうしても必要なモノだ。
たとえば嫌な思い出を忘れてしまったり、心配事があるときに全く別のことを考えて、夢想にふけったりすることはよくある。
これは辛い現実を繰り返し思い出すことで、心が痛むのを防ぐための防衛機制の一種なのだ。
もちろん、現実を直視することは重要だが、それには強い精神力が必要だったり、客観能力が必要だったりする。
なので一旦現実逃避して、体勢を立て直そうとするわけだ。
6つの防衛機制
防衛機制とは、心を守るための仕組みで、自己評価を守るために働くメカニズムだ。
現実を直視できないような状況に陥ったとき、そのショックをやわらげるために、人間は情報を拒否したり、ふるいに掛ける。
自分の心を守るために、自分にとって都合の良い安全な情報しか、入らないような仕組みを作るのだ。
防衛機制には様々なモノがあるが、フランスの精神科医が書いた「自己評価の心理学」という本には、次の6つが挙げられている
6つの防衛機制
自己評価を下げないために、使えるモノは全部使われると考えれば良い。
たとえば自己評価が高い人は、失敗しそうなことでもやってみるが、自己評価が低い人は手を出さない。
自己評価が低い人にとって失敗することは、自己評価を大きく下げてしまうため、「回避」という防衛機制が働くためだ。
一方、自己評価が高い人は、失敗しても自己評価が下がらない。
というのも自己評価が高い人にとって、成功しにくいモノに挑戦すること自体が自己評価を高めるからだ。
また失敗しても失敗を認めず(否認)、成功に至るステップだと考えたり、失敗の理由を自分自身の他に求める(合理化)など防衛機制を働かせて自己評価を下げない。