自分の感情を表に出さないというのは、実はダメ
自己評価を高める9つの鍵。
第3の鍵は「感情に正直になる」だった。
感情をあからさまにしないことを美徳とするのは、日本やイギリス/アングロサクソンに共通だが、感情を押し殺すのは実はあまり良くない。
というのも自己評価を高めるためには、自分というモノがなければならないからだ。
自分がどういう人間で、どういう価値観を保っているのか、他人に伝わらなければ怪しい人間になってしまう。
そのため、自分の感情を抑えるのは、逆に自己評価を下げることになってしまうのだ。
自己評価が高い人というのは、良くも悪くも「自分」がハッキリしている。
自分が好きなモノは、他人がどう言おうが好きだし、嫌いなモノは、誰が何を言おうと嫌いだと言う。
感情表現も、楽しいときや悲しいとき、怒っているときなど、ハッキリわかる。
こういうハッキリした態度が取れると、他人から、どういう人間であるかわかるし、気分も見えるから、用がある人は近づいていけるし、用がない人は遠ざかる。
ところが自己評価が低い人というのは、何に関心があるのか、どういう気分なのか、他人にはわからない。
何を尋ねても、イエス・ノーすらハッキリ言えずに、ニヤニヤしていたり、困った顔をするばかりなので、「得体の知れないヤツ」「気味の悪い奴」と評価される。
人前で感情を抑えるのは、日本では美徳とされているが、「自分の感情を表に出さない」というのは、実はダメなのだ。
楽しいときは笑顔を見せ、悲しいときは悲しい様子を見せる。
そういう人間くささが周囲を安心させ受け入れられやすくする。
そして周囲の人間に受け入れられれば、自分に価値が見いだせるようになるので、「自己愛的自己評価」が高まるわけだ。
第四の鍵 行動する
自己評価を高めるためには、自分をハッキリ他人に見せなければならない。
怒りや悲しみ、悔しいという感情を否定せず、周囲の妨げにならない程度に、うまく感情を表すことが重要になる。
また自分の感情を否定して、他人に知られないように力尽くで抑えていると、感情が発散されないため、ずっと感情を抑え続けないと行けなくなる。
そのため脱力できない凝り固まった身体になってしまい、それが腰痛や頭痛、首コリや肩コリ、歯ぎしりなどの原因になってしまうわけだ。
ただし感情を否定したり押し殺さないで、現実を認めてしまうだけだと、今度はあきらめにつながる。
自分はダメだったという事実に対して、自分には能力が無いとか、自分には運が無いとか考え始める。
こういう考え方をすると、問題解決のための行動が起こらない。
しかし問題解決のための行動に出ない限り、問題は解決には向かわない。
この「行動する」が自己評価を高める第4の鍵になる。
たとえば日頃から自動車の運転をしていた人は、運転をしなくなると自己評価が下がり、抑うつ症の傾向が出る場合があるという。
車の運転は、自分で車をコントロールすることであるから、それによって自己評価が高まっていたと考えられる。
日常生活には、自分がコントロールできるモノがたくさんあり、掃除や洗濯と言った家事も、自己評価を上げる作業になる。
気分が優れなかったり、機嫌が悪いときに、掃除や洗濯などをすれば、気が軽くなるのはそのせいだ。
日常的な小さな作業は、小さな目標であり、それを達成することで、自己評価が上がるのだと考えられる。