失敗から学ぶ人、失敗すると嫌になる人
自己評価が低い人は、自分の選択に自信がないため、他人の価値観に合わせて選ぼうとする。
しかし他人の価値観なんてわからないから、迷いに迷って選べず、時間がかかる。
食事のメニューを選ぶだけでも、いちいち比較検討して選んだり、同席者の顔色をうかがいながら選ぶので、選ぶのはいつも最後になる。
食事のメニュー選びくらいで、そんなに時間がかかっていたら、もっと重要な選択などできるわけがないから、「メニューを開いて1分以内に決めなさい」、という風に子どもを教育する人もいる。
と言うのも実は、何を選ぶかはあまり重要でなく、失敗した場合にどうするかの方が重要だからである。
選択の結果が満足いくモノだったら良いが、あまり良くなかった場合にどうするか。
株式投資などで言う「損切り」が早くできるかどうか。
これが実はモノを選ぶ前に考えるべき点だ。
失敗したときに、失敗を認めてさっさと次の行動に移れるか、それとも失敗をズルズルとそれを引きずって、さらに損害を大きくするか。
ここで大きな違いが出る。
というのも、自己評価が高い人は、失敗したとしても失敗から学んでまた再挑戦する。
失敗した結果は認めるが、やり方やタイミングが悪かっただけだと思ってるし、成功するまでに何度も失敗するのは、当たり前だと思っている。
なので一度や二度の失敗くらいではへこたれず、何度でも何度でも挑戦しなおす。
その結果成功すれば自己評価が高まり、さらにがんばれる人間になっていくわけだ。
一方、自己評価の低い人は、成功するまでがんばれない。
失敗したのは自分の能力がないせいだと思い、大した失敗でなくても落ち込んで再挑戦を避けてしまう。
何度か挑戦すれば、成功できるかもしれないのに、挑戦を途中であきらめ、成功にたどり着けない。
その結果、成功するまで努力していないだけなのに、自分はできないヤツだと思い込んでしまう。
やめる決断が早いのも、自己評価が高い人
自己評価が高い人は、やめる決断も早い。
というのもいくら自分に能力があったとしても、成功する環境が整っていなければ、成功することはできないからだ。
なので何度か挑戦した結果、「これはどうも成功できないな」と感じたら、そこでやめる決断をするわけだ。
自己評価が高い人は、自分の価値観やイメージで動いているので、自分の価値観に合わなかったり、イメージが違っていたら、さっさとやめることができる。
だってそれは自分の望んでいたものではないからね。
一方、自己評価が低い人は、やめる決断も遅い。
というのも、自己評価が低い人は、問題にぶつかったとき、解決策を見いだすのにも時間がかかってしまうからだ。
失敗の選択をした後も、それが失敗だったと気がつくのも遅いし、失敗の原因がどこにあるのか気がつくのも遅い。
自己評価が低い人は、自分の性格や能力がよくわからないので、失敗の原因が自分自身の中にあるのか、それとも環境やタイミングが悪いのか判断できない。
そのため、選択が失敗したと思っても、ズルズルとそのまま続けてしまう。
たとえば興味の無い仕事でも、仕事だからと続ける。
幸福では無い結婚生活も、結婚したのだからと続けてしまう。
嫌な人と会わねばならないというようなことも、決めごとだからと言って、我慢して続ける。
つまり自分の意にそぐわなくても「やめる」とか「断る」という決断ができないのだ。