選ぶ前ではなくて、選んだ後の行動が問題
自己評価が高い人にとって選択とは、自分に一番あったモノを選ぶことだ。
自己評価が高い人は、好き嫌いがハッキリしている。
そして自分の選択に自信があるため、モノを選ぶ際にあまり迷わない。
欲しいと思ったモノを素直に選べるのが、自己評価が高い人の選択だ。
一方、自己評価が低い人にとっての選択とは、あきらめるモノを決めることである。
自己評価が低い人は、自分自身の好き嫌いがハッキリしない。
そして自分自身の満足よりも周囲の目を気にするため、他の者が選びそうなモノも選択肢に入れてしまう。
さらにその中から、非の打ち所のない、最良の選択をしようとするのだが、どれを選んでも損するような気がして、選べない。
自分が良いなと思っても、他の人にセンスがないと思われるのも嫌だし、誰かと同じモノを選んでも、真似したと思われないかと心配だし。
なので「センスがないと思われてもいいや」とか「真似したと思われてもいいや」とあきらめられないと、自分の好きなモノを選ぶことができない。
そういう風に開き直るまでに時間がかかるので、モノを選ぶのに時間がかかるわけだ。
もともと選ぶと言うことは、他の可能性を捨てると言うことだ。
捨てた選択肢の方が良かったとしても、仕方ないなと思えないと、選べない。
失敗したら不運だったとあきらめればいいやとか、失敗したらやり直せばいいやと考えないと、選べない。
ところが自己評価が低い人というのは、正しい選択肢があって、それを選ばないといけないという強い強迫観念を持っていて選べない。
失敗したら取り返せないと思っているため、最良の選択があるはずだと思って迷うのだ。
しかし正しい選択肢が初めから決まっているわけではないし、同じ選択肢を選んでも、満足度は人によって違うから、実は選ぶ前ではなくて、選んだ後の行動が問題なのだ。
他人の価値観なんてよくわからない
どういう選択をしたとしても、選んだ後にどうなるかは誰にもわからない。
日常的なことならある程度は予想はできるが、進学や就職、結婚や子育て、離婚や転職など、なにが正解になるかはわからない。
なので重要な選択になればなるほど、選ぶのに時間がかかるし、決断力が必要になる。
たとえば普段着で悩む人はそんなにいないだろうが、大事な人との会食だとか、デートに着ていく場合、服を選ぶ時間は、普段よりはるかに長くなるだろう。
友達や、どうでも良い相手と会うのであれば、自分の好きな服を着ていけば良いだけだが、重要な取引先や、嫌われたくない相手なら、何を着ていけば良いか迷いに迷ってしまうはずだ。
つまり「失敗したくない」という気持ちのせいで、相手の価値観に合わせようとしてしまうが、他人の価値観なんてよくわからないもんだから、モノを選ぶのに時間がかかってしまうわけだ。
これはメニュー選びの場合も同じ事だね。
自己評価の高い人は、自分の価値観で選ぶから、さっさと自分が食べたいモノを見つけて注文する。
しかし自己評価が低い人は、周囲のモノの価値観に合わせようとするから、何を選んで良いのかよくわからずにグズグズする。
食事のメニュー選びなどは、なんどでもチャンスがあるわけだから、「メニューを開いて1分以内に決める」と言う風に自分でルールを決めて、さっさと選ぶようにすれば良いだけなんだけど。