感情を抑えると、身体に不調が現れる
自己評価改善の9つの鍵。
第三の鍵は「感情に正直になる」と言うことだった。
感情に正直になるとは、自分の心に自然に起こった感情を、否定せずに表に出すと言うことだ。
人前や集団の中で感情を出すのは、日本では良くないとされる場合が多い。
そのため、自分の感情を押し殺し、感情を他人に悟られないように振る舞う。
これは「防衛機制」の一つで、自分の感情を否認して、感情を表に出すことで被るマイナスを回避する行動だ。
家庭内でも、親や他の家族が怖いと、自分の感情を押し殺して隠すようになる。
私なんかもそのタイプだ。
ところがそうして感情を他人に悟られないように、感情を抑え続けて育つと、人間として魅力の無い人間になってしまう。
というのも感情表現に乏しい人間は、得体が知れなくて怪しいと思われるのだ。
得体が知れない怪しい人には近寄りにくいから、他人から声を掛けられにくくなる。
そして他人から声を掛けられないと、自分は必要とされていないと感じ、そのために自己評価が下がることになる。
また本人も他人から声を掛けられると、自分の感情を隠すのが面倒だし疲れるので、自分からも他人を避け始めて孤独感が増す。
さらに、自然にわき起こってくる感情を抑えるクセがつくと、身体にも様々な不快な事が起こり始める。
というのも感情を表に出ないようにするには、顔や身体の筋肉をガチガチに固めてしまったり、逆に身体に力が入らないようにする必要があるからだ。
これが習慣になると、感情と身体の状態がアンバランスになり、常に緊張状態が続いて、不快症状が起こってしまうわけだ。
怒りをぶちまけないといけない
心と身体つながっている。
そのため、無理に感情を抑え込むと、その反動が別の部分に出ることになる。
「腰痛は怒りである!」という本が、以前評判になったことがあるのだが、自分を守るための防衛機制の一つとして、自分の感情を否定して抑えてしまうのだ。
身体には感情に対応した動きがあり、たとえば腹が立ったら、握り拳を握ったり、対象をにらみつけたり、モノを投げたり、蹴ったりするのが自然な振る舞いなのだ。
ところがそういう自分が嫌だったり、あるいは社会的な面目を保つために、力尽くで感情が表に出ないように振る舞うと、身体や表情を抑えるのが習い性になって、他の感情表現も気軽に出せなくなってしまう。
さらに感情を抑え続けると緊張状態が続くので、体と心のバランスが狂いっぱなしになってしまって、身体が硬くなったり、力が入らなくなってしまう。
なので人前で感情を抑える必要があっても、それぞれの感情に応じた動きや体の使い方を、感情が消えるまで実際にやっておく必要がある。
すなわち「怒りを解放するワーク」を、怒りを覚えるたびにやる必要があるのだ。
怒りを解放するワーク
- 怒りは人間を動かすエネルギーである。
- そのため、怒りのエネルギーを消費することが、怒りを解放するワークになる。
- なので怒りに対して心の中で考えた行動を、空気を相手にしてやり続ける。
- 怒りをぶつけたい相手がおれば、その相手をイメージして、殴る蹴る・首を絞める・叩くなど、様々なことを空気やサンドバッグ相手にやってみる。
- 怒りにまかせてクタクタになるまでやり続けたとき、その怒りは解放される。