失敗した後の行動
失敗は誰にでもある。
しかし、そのあとの行動は、自己評価でかなり異なる。
自己評価の高い人は、たとえ失敗しても、比較的早い段階で、次の別の行動に移ることができる。
失敗は自分の能力のせいだけではなく、環境やタイミングが悪かったせいだし、失敗の一つや二つしたところで、自分の価値が揺らぐだなんて思ってもいない。
失敗したら、またやり直せば良いと思っているし、次は成功すると思っている。
一方、自己評価が低い人は、失敗から立ち直るのが遅い。
失敗を客観的に捉えることができず、なぜ失敗したのか整理ができないため、感情的になり、憂鬱な気分になる。
単なる巡り合わせに過ぎない失敗でも、自分のせいだと考えて落ち込んでしまう。
同じ事は、他人から批判されたときにも起こる。
自己評価の高低にかかわらず、他人からの批判は誰しも気にする。
しかし自己評価の低い人は、他人からの批判によるショックが大きく、そこから立ち直るのに時間がかかる。
他愛も無い一言でも、一週間も眠れなくなる。
自己評価が低い人は他人の目を気にして、他人の価値観で判断してしまうため、自分に対する批判を真に受けてしまうのだ。
自分に非があったとしても、環境や相手にも多少は非があるはずだとは思えないため、些細なことでも、大きな悲しみになってしまう。
最も傷つくのが、自分が頑張っていることや、一生懸命やっていることに対しての批判や否定だ。
それはまさに自分の存在価値を否定されたようなモノで、低い自己評価を再認識させたり、さらに下げる事件だ。
自己評価が低い人は、人目を避けて行動する
自己評価が高い人は、たとえ失敗したとしても、自分に能力がなかったとは考えない。
成功するための環境が整っていなかったとか、挑戦したタイミングが悪かったとか、そういった理由で失敗したと考える。
もちろん自分のやり方が悪い場合もあるが、しかし全てが自分の責任だとは考えない。
良くなかった部分を直して再挑戦すれば、次かその次くらいには成功できると思っている。
しかし自己評価が低い人は、失敗すると落ち込む。
成功体験に乏しいため、「やっぱりダメか」「またダメか」とため息をつく。
成功に至るまで、どれくらい努力が必要なのかわからないため、成功するまでに疲れ果ててしまうわけだ。
また自己評価の低い人は、他人の目が気になるので、人前で失敗すること自体も怖い。
そのため何かをする場合は、他人の目を避けて行動しようとする。
他人から何か言われるのが嫌なので、人目を避けた状態でないとできないのだ。
人目を避けて行動すると、手伝ってくれる人も現れないため、ますます成功から遠のくのだが、仕方がない。
競争も、負けて嫌な気分になるのが嫌だから避ける。
元来、子どもというのは競争が好きなのだが、あまりにも勝てない場合は、競争が嫌になる。
勝てない勝負は避けるというならいいが、勝てそうな勝負もしないから、成功がつかめない。
こういう風に、自己評価の低い人は、成功する喜びを得る努力よりも、嫌な思いをしそうなことを極力避ける。