自己評価は成功することで高まる
自己評価は成功することで高まる。
しかし自己評価が低い人は、新しいことには挑戦しないし、失敗しそうなことはやらずに済まそうとする。
何にもしなければ成功もできないし、挑戦できないのは「意気地無し」だから、ジワジワ自己評価が下がっていく。
それを防ぐために身近にいる誰かの成功を、自分の成功と見なす場合がある。
これが「仮託(かたく)」という方法だ。
自己評価が低い人は、失敗するのが嫌なので、替わりに身内の成功を自分の成功に数えようとするわけだこの「仮託」で問題になるのが、子育てだ。
たとえば学歴が無いことで引け目を感じている親は、なんとしても子供を難関大学に入れようとする。
自分が叶えられなかったことを、子供に託して自己評価を上げようとしているのだ。
ところがこれは子供にとって重荷になる。
というのも親の要求レベルが高すぎて、どれだけ頑張っても親に喜ばれないからだ。
難関大学合格のためには、高すぎるハードルをいくつも超えなければならない。
常に学校で一番くらいの成績でないと、難関大学合格は難しいから、そう簡単に親にほめてもらうことができない。
そのため子供は親の期待に応えられないことで、ずっと苦い思いを強いられ続ける。
要求水準が高すぎるから、かなり良い成績を収めても失敗と評価され、自己評価はずっと低いままになるのだ。
そしてそのまま自信が持てず、不安な気持ちを抱く人生を強いられる。
子供に自己評価を仮託する親は、子供が成功すれば自己評価を上げるが、頑張っている本人は自己評価が低いことが多い。
子供が勉強しなくなる親の押しつけ
自己評価が低い人の中には、子供に自分の夢を仮託する人がいる。
たとえば学歴がないことで嫌な思いをしている親であれば、子供をなんとしても難関大学に入れようとする。
そのため子供の教育に積極的になるのだが、なにせ自分に経験もノウハウも無いため、何をやって良いのかわからない。
なので受験雑誌に水泳がよいとあれば、子供をスイミングスクールに通わせるし、魚がよいと聞けば、魚料理ばかり食べさせる。
子供がそれを喜んでするなら良いのだが、嫌がっているのに無理矢理やらせるのは、子供のやる気を削ぐので逆効果だ。
だいたい難関大学に行く子供というのは、子供の頃に様々なことに熱中しているという話も、受験雑誌では盛んに取り上げている。
子供の頃は虫取りに熱中していたとか、世界中の国の名前を覚えたり、国旗の絵を描いていたとか、ひたすらパズルばかり解いていたりだとか、とにかくもう、何の役に立つのかわからないようなことを、好奇心の赴くままにやっていた子供が難関大学へ行くのだ。
難関大学に合格するような子供というのは、そういう風なもの凄い集中力と根気の持ち主が多く、だからこそ1日10時間を超えるような勉強にも耐えられる。
つまり勉強ができる子供に育てるには、子供が熱中している時は、邪魔してはいけないし、自分でやろうと決めたことは、肯定してあげないといけない。
そうすることで子供は自分のやりたいことが尊重されていると感じ、自己評価が上がって、やる気を持ち続けられるのだ。
ところが子供に勉強を強いる親御さんというのは、なぜだかそういう記事は読み飛ばしていて、子供がやりたがっていることは否定するし、親がやらせたいことは無理矢理にでもやらせようとする。
子供をコントロールすることでも自己評価が上がるので、自己評価の低い親はそういうことをするのだが、残念ながら「やらされている勉強」では成績は伸びない。
さらに子供が充分良い成績を取ったと思っても、親に怒られれば子供の自己評価は下がってしまい、自己評価が下がれば、やる気を失うため、だんだん勉強が嫌になって、成績は上がらない。