女性は、自分に優しくしている男性に心引かれる
恋愛心理学の本などに、良く載っているのが「ウォルスターの実験」と呼ばれるモノだ。
これは女性が落ち込んだときに声を掛けると、恋愛に発展しやすいと言う話で、よく紹介される。
心理学者ウォルスターは、女子学生の自己評価が変化すると、行動がどう変わるかを調べるため、女子学生を集めて知能テストを行った。
そして知能テストの成績に関係なく、良い評価と悪い評価をランダムに手渡してみた。
テストは一人ずつ実験室に呼んで行ったが、その前のホールに案内役の若い男性を準備し、テストの説明と、テストが少し遅れていることを告げさせた。
その案内役の男性には自己紹介をさせ、実験対象の女性に好意を持っていることをにおわせた上で、次の週のデートに誘うよう仕組んでおいた。
女子学生には実験室でテストを受けさせ、そこで偽の判定結果を渡した後、アンケートに答えさせた。
そのアンケートとは、案内役の男性や、最近魅力を感じている人のこと、テスト結果を手渡した男性、教官、そして自分自身についてだ。
ここで良い成績を渡して自己評価を高めた女子学生は、案内役の男性について、様々な印象を答えていた。
しかし悪い成績表を渡して自己評価を下げた女子学生は、控え室で声を掛けてきた男性に好印象を抱いていた。
たいていの女性は、声を掛けてくる男性に警戒心を抱く。
そのため誰彼なく好印象を持つわけではないのだが、悪い評価をもらった女子学生は自己評価が下がったために、デートに誘ってくれた男性への警戒心が薄れたらしい。
というのも声を掛けてくるということは自分に関心があり、自分を評価してくれると言うことだから、うれしかったのだ。
つまり、自己評価を下げられた女子学生は、男性からの誘いに心が動いたわけで、ここから「心が弱った女性は落としやすい」、…なんて話になったわけだな。
恋愛相手は、ほめてくれる人が良いか
男子学生に対する実験によると、自己評価が高まると積極的になり、きっちり化粧した着飾った女性を選ぶ。
逆に自己評価が下がっていると、積極性もなくなるし、選ぶ女性も化粧の薄い地味な格好をした女性になる。
一方、女子学生に対する実験によると、自己評価を上げられた女性は、声を掛けてきた男性を冷静に値踏みしたが、自己評価が下げられた女性は、声を掛けてきた男性に好意を抱いた。
この結果から見ると、男性は自己評価に見合った女性を選ぶのに対し、女性は自己評価が低い時に、自分に優しくしている男性に心引かれると言うことになる。
女性の自己評価は、若いうちは男性より低いので、優しくしてくれる男性が第一だって事になるのかもしれない。
しかし恋愛や結婚相手となると、一時の感情で決まるわけではない。
と言うのも長期間一緒にいることになると、自分の自己評価を認めてくれる人でないと、疲れてしまうからである。
たとえば自己評価が高い人は、自分をほめてくれる人を周囲に置きたがる。
自己評価が高い人の自己イメージは、「自分はできる」「能力がある」などという肯定的なモノなので、それをそのまま肯定してくれる人が心地よいわけだ。
一方、自己評価が低い人も、自分をほめてくれる人に好意は抱くが、逆に自分を批評したり叱ってくれる人を望む。
自己評価が低い人は、自分の欠点を聞きたがるため、傷つかない程度に自分を批評してくれる人がちょうど良いらしい。