言うことをきかない子供に暴力を振るう親
自己評価が低い親の中には、自分が達成できなかったことを、子供に達成させようとする場合がある。
自分が叶えられなかった夢を、子供に仮託することで、自己評価を高めようとするのだ。
たとえば学歴がなくて悔しい思いをした親は、何とか子供を難関大学に入れようとする。
そのため教育にお金を使い、子供に勉強を強いる。
ところがこれは子供にとって、非常に高いハードルになってしまいがちで、子供の自己評価を下げ、やる気を失わせてしまう。
というのも親の要求レベルが高すぎるため、子供は頑張ってもなかなかほめられないからだ。
そのため、だんだんやる気を失って親の言うことにも刃向かうようになってくる。
子供の成績が上がらなければ、親自身の自己評価も下がってしまうし、子供が言うことをきかなくなるのも自己評価を下げる。
なので子供に暴力を振るいだす親もいる。
暴力を振るっても成績は上がらないのだが、子供の成績に親は自己評価を結びつけているため、成績が悪いと自分を否定されバカにされた気分になるらしい。
こういう風に自己評価を自分以外の誰かに委ねると、失敗に対して暴力的になることは、よくあるらしい。
フーリガンはなぜ暴れるのか
自分の身内や知り合いに、有名人がいると、自分の価値も上がったような気分になる。
そのため自己評価が低い人は、自分が努力して何かを成し遂げるより、親や兄弟、子供や知り合いなど、自分に近い人間の成功を、自分の成功に数えようとする。
また自分とは面識がなくても、自分の応援が成功につながるような対象なら、自己評価を高めるのに役立つ。
プロ野球やサッカーのチームを応援したり、アイドルグループのメンバーを応援するのも、同じように自己評価を上げる効果があるらしい。
ところが自己評価を自分以外の誰かに委ねると、自分の行動以外のところで自己評価が上下するので、自己評価は不安定になってしまう。
応援しているチームの勝敗で一喜一憂したり、応援しているメンバーの動向で気持ちが激しく揺れ動く。
たとえばサッカーの熱烈なファンが、審判の判定や選手のプレイに激怒し、暴れたりすることがニュースになったりするが、あれは自己評価をチームや選手にリンクさせているかららしい。
そのため、チームが低迷したり、大事な試合で負けると、熱狂的なサポーターは自殺を図ったり、敗因を作った選手や監督を襲ったりする。
自殺するのと、選手や監督を襲うのは、全く別の行動のようにも見えるが、どちらも自尊心が傷つけられたが故の行動なのだという。
一生懸命応援しているチームが負けると、まるで自分の失敗のように感じ出すし、選手や監督が負けてもへらへらしていたりすると、彼らを一生懸命応援していた自分を否定されたような気になり、バカにされた感じがして、暴れずにいられなくなるらしい。