他人の悪口を言うと気分が良い
自己評価を上げる方法には色々あるが、あまり良くない方法もたくさんある。
あまり良くない自己評価向上法としては、「他人の悪口を言う」とか、「他人がやらないような悪いことをやる」…などが挙げられる。
まず、他人の悪口を言うと気分が良い。
たとえば自分より上の人間の悪口を言うと、安心するし距離が縮まる。
王侯貴族や、大企業の重役も、いろんな事で悩まされると考えると、なんとなく慰めになる。
抑うつ症の人と、そうでない人に対し、様々な有名人の名前を挙げて、その人のことをどう思うかという調査がある。
この調査でわかったことは、人は自分の競争相手だと思う有名人、つまり自分が優れていると思っている分野で有名な人のことを、悪く言う傾向があると言うことだ。
これは抑うつ症の人でも、そうでない人でも、同様だった。
問題は、そういう悪口を言ったあとの気分で、抑うつ症の人は悪口を言ったあとに気分が良くなった。
そして抑うつ症でない人は、悪口を言ったあとに気分が暗くなった。
抑うつ症の人は、自己評価が低いので、悪口を言うことによって、相対的に自己評価が上がる。
一方、自己評価が高い人というのは、自分が失敗したときに、他人の悪口を言いやすい傾向にある。
傷ついた自己評価を守るために、他人の欠点を言い立てる。
また自己評価をさらに上げるために、自分より劣っていると思う人間をからかったり攻撃したりする。
ずるいことで自己評価が上がる?
世間一般の人が、あまりやらないような難しいことは、自己評価を大きく上げる働きがある。
たとえば気性の荒い大きな犬を飼ったり、どう猛で危険なペットを飼ったりすることは、世間一般の人はなかなかしないことなので、自己評価を大きく上げるらしい。
扱いが難しければ難しいほど、他人にはできないことなので、自己評価が上がると考えられる。
一方、小さな犬を飼っている場合でも、お座りをさせたり、お手をさせることで、支配欲を満たして自己評価を高くしている事もある。
また勝負事や、ゲームに強くなることで、自己評価を高めることもできる。
ただしゲームに勝つことで自己評価を高めようとする人は、勝ち負けにこだわるから、インチキもするし、負けたときにはものすごく機嫌を悪くする。
勝つことで自己評価が上がり、負けると自己評価が下がるので、とにかく負けを認めないし、勝つためにはインチキも厭わない。
インチキして勝っても、他人からは評価されないから、自己評価が下がると思いきや、なぜかそれでも上がる。
勝つことで他人に自分の有能さを示したいので、勝つためにはズルいことをしても良いと考えるわけだ。
自己愛的パーソナリティ障害の人の中には、罰金を払わなかったり、税金をごまかしたり、法律に違反してずるいことをすることで、自己評価を高めようとする人もいるらしい。
これも大きな犬を飼うのと同様、他人にはできないことをすることで、自己評価が高くなると言うことだろうか。