能力肯定力は周囲の反対を押し切っても自分の人生を切り開く力
自尊心・自己評価を高く保つには、自己愛・能力肯定・自信という、3つの柱が重要だという。
自己愛というのは、自分を好きかどうか。
能力肯定とは、自分にOKを出せるか。
自信とは、困難でも何とかなると思えるか。
この3つは、どれも大きな影響をもたらすが、なかでも能力肯定できるかどうかは、人生を納得して送れるかどうかを決める。
というのも能力肯定ができれば、人生の岐路に立っても、自分のやりたい方向に進路をとることができるからだ。
能力肯定できると、自分の考えや行動を良しとするので、とにかくまず自分のやりたい方向に進んでみることができる。
その先でたとえ失敗したとしても、また次の進路を選んで進めば良いだけの話だ。
ところが能力肯定力が弱いと、世間体を気にしたり、親や家族が望む方向に、渋々進んでしまうことになる。
自分の判断に今ひとつ自信がないため、周囲の反対を押し切って自分のやりたいようにやれないのだ。
そうして気が進まない選択をした結果どうなるかというと、やはり自分が進みたかった進路ではないため、ずっと不満や後悔に悩まされつづけることになる。
さらに自分に対する見方が常に否定的な場合、ずっと他人に依存した生き方をするようになる。
自分で判断してもうまく行かないと思い込んでいるため、親や兄弟、家族や仲間の言うままに行動するしかないのだ。
こういうタイプの人は、他人との関係は良好に保てるが、自ら人生を切り開けないので、非常に残念な人生になりやすい。
自分のやりたいことを言わず、親の言うことをハイハイ聞いて、良い子を演じている子どもなどは、非常に危ない。
親の言いなりになる子どもは危険
能力肯定とは、自分で自分の考えや行動にOKを出すということである。
自分で考えて判断して行動してみて、その結果が良くても悪くても、自分の考えや行動が間違ってないと思えるか。
やり方が悪かったり、足りない部分があったり、タイミングも悪かったりしたので失敗したが、方向性は間違っていなかったと考えられるか。
これが能力肯定であり、能力肯定があれば、成功するまで何度でも挑戦し直すことができる。
成功するまで何度でもやれば、たいていのことは成功するし、成功者というのは、そういう風に成功しているのだろう。
ところが過保護に育てられて、自分では何もさせてもらえなかったり、逆に親が過干渉で子どものやることにいちいち口を出すと、子どもは自分で考えたり判断して行動する経験が積めない。
そうして圧倒的な経験不足になり、能力肯定感が育たず成長してしまう。
圧倒的な経験不足から、自分で何かを始めることができなくなり、親や周囲の者に頼らざるを得ない状態になってしまう。
つまり親に依存しすぎてしまい、「親に決めてもらう人生」が始まるわけだ。
そして親の期待に応えられれば自己評価が上がり、応えられないと自己評価が下がる。
一見、親の期待に応えているように見える人間でも、「親を失望させてはいまいか?」と自己評価を下げてしまったりする。
親の希望や期待を裏切ることができず、大事なところで、自分のやりたいことや価値観を押し殺し、自分が望まない人生を送る羽目になってしまう。
親は子どもをコントロールすることによって自己評価を上げているが、子どもは親からのコントロールを振り切れず、自己評価を下げる。