第6の鍵 失敗を受け入れる
自己評価を高める第5の鍵は「心の中の批判を黙らせる」だ。
自己評価が低い人は、行動を起こすたびに、「こんなこと何の役に立つ?」「うまく行きっこない」などと考えてしまう事が多い。
何かやってみようと思って始めてみるが、うまく行くような予感がしないため、だんだん否定的な事を考え始め、せっかく始めたことでも早々にやめてしまうのだ。
自己評価が低い人は失敗を極度に恐れており、行動し始めた後も、常にやめる口実を探しているのだ。
途中でやめれば失敗という結果も出ないので、口実を見つけてやめようとするわけだ。
ところが途中で辞めると言うこと自体も、「うまく行かないことを始めてしまった」という失敗だから、やっぱり自己評価を下げてしまうことになる。
挑戦から逃げても自己評価は下がるし、挑戦しても自己評価が下がるので、どうしようもない。
そこで次に重要になるのが「失敗を受け入れる」ということだ。
これは失敗してもいいや、とことん頑張ったならいいや、と言う風に考えるべしって事らしい。
実際、自己評価が高い人というのは、新しい挑戦をすること自体に価値を感じている。
新しいことを始めること自体にワクワクしており、新しい挑戦をする自分を高く評価する。
特に他人が挑戦しないようなことには喜んで挑戦し、成功するか失敗するかは、さほど気にしてないのだ。
成否にかかわらず、やるだけやって、へとへとに疲れ果てたらそこで満足する。
「俺がこんなに努力してもダメだったんだから、自分には向いていなかったんだろう」という風に考えるのだ。
失敗して良い余地を知るべし
何か新しいことを始める場合、失敗する確率は非常に高い。
と言うか、新しいことなんだから、最初は失敗するのが当たり前だ。
たとえば水泳だとか、自転車に乗るとか、最初からうまくできる人間は滅多にいない。
何度も何度も、何度も失敗した後に、泳げたり、自転車に乗れたりするのが普通の状態のはずだ。
ところが自己評価が低い人は、最初の数回でできないと、もう挫けてしまう。
頑張ろうと思っても、すぐに挫けてしまい、ダラダラと続けてみるということもできない。
できるまで続けないんだから、できないのは当たり前で、変な話、「できない自分」を確認したら、そこでやめてしまう。
「自己評価の心理学」のテキストによると、失敗に対して恐怖を覚えやすいのは、完璧主義者や完璧主義者の親を持つ子供だという。
彼らは合格水準が高すぎて、100点満点が成功で、99点は失敗だと捉えるため、100点満点が取れなければ、自己評価は下がってしまう。
となると、100点満点が取れなさそうな事には、挑戦する意欲を持てなくなるのも当然だ。
積極的に行動できない人は、たいていの場合、物事を成功か失敗の二元論で考えているのだという。
要するに、100%成功以外は、みんな失敗って事だね。
しかしそれって、自分で勝手に決めた合格点であって、世間的な、客観的な合格点ではない。
肝心なところさえ、ちゃんと押さえておれば、枝葉末節のことは適当で良いって事もよくある。
なのでその合格基準が現実的な根拠に基づくものか、自分で勝手に決めた理想なのかを再確認する必要もあるだろう。
要するに、どれくらいの失敗なら大丈夫なのか、失敗して良い余地を知ることも重要なことだ。