自己開示の鍵
自己評価を上げる9つの鍵、第一の鍵は、「己を知る」だった。
己を知るというのは、自分自身のことを知るということで、自分がどういう人であるか、ハッキリ言葉にして用意しておくことだ。
自分のことは自分が一番よく知っていても、それが言葉にできなければ、他人に伝えることができない。
他人と何かを話すとき、ハッキリした言葉になっていないと、それがとっさに出てこないので、あらかじめ、答えを準備しておかなければならないのだ。
では、どのような受け答えができないとダメかというと、「自己評価の心理学」と言う本には、「自己開示の鍵」として、次の点が挙がっている。
自己開示の鍵
- 好きか嫌いかを言えるか
- 知っているか、知らないか言えるか
- 自分の失敗を他人に話せるか
- 自分の成功を自慢せずに話せるか
- 自分の長所と短所を、言葉にできるか
質問者は、その情報が必要だから尋ねているだけなのに、「どう答えたら悪く思われないか」と考えたりするのだ。
そのため、イエス・ノーが言えないダメなヤツだとか、自分の意見がハッキリ言えないということで、客観的評価は悪くなってしまう。
自分の意見や気持ちをハッキリさせることで、会話がスムーズに行うことができる。
しかし言葉にせず、ボンヤリと思っているだけでは、コミュニケーションの手がかりにはならない。
第二の鍵 己を受け入れる
自己評価を改善する第二の鍵は、「己を受け入れる」ということだ。
己を知った時、自分の短所に対して、どういう態度をとることができるかは、自己評価に大きく影響する。
自分の好き嫌いや、得手不得手を受け入れ、言葉にしてハッキリ言える人であれば、周囲もそれなりに対応してくれる。
つまり「○○さんは、××だから」という風に、気を遣ってもらえるわけで、自己評価は高まる。
ところが己を受け入れられず、好き嫌いや得手不得手をハッキリさせない人に対しては、あらかじめ気を遣いようがない。
たとえば自分は運動ができない、スポーツが下手だと思っていたとしても、それを言わずに隠しておれば、周囲の者は何度もスポーツに誘ってくる。
そして好き嫌いをハッキリ言えない人は、誘いを断る際にも、嫌いだとか苦手だといって断れないから、そこで何か別の用事があると言って断らざるをえない。
自己評価が低い人は、苦手意識を表明したり、相手の誘いを断ったりすると、相手にどう思われるかほ方が心配なので、ついついそういうウソで誤魔化そうとするわけだ。
しかしそれではまた次の機会に誘われてしまうし、次回もまた別のウソで断らねばならなくなる。
そうして己を受け入れられず、ウソを繰り返していると、己というものがなくなって、自己評価はさらに下がってしまう。
苦手な自分を受け入れられず否定していることも、相手に対してウソで断るというのも、相手をだましているから、両方とも不誠実なのだ。
一方、恥ずかしくても、運動ができないとか、スポーツが苦手だと言うことを相手に言って断るとどうなるか。
一旦断れば、次の機会に同じような誘いは受けない。
恥ずかしいと思っていることを正直に宣言すると、それはもはや隠さずに済むし、周囲も自分が望まぬ誘いはしてこなくなる。
「恥ずかしいけど○○だ」と言えば済むようになる。
「○○が苦手だ」とハッキリ表明することは、自己肯定であり自分を受け入れているし、相手に対してもウソをつかずに済む誠実な行動だから、好き嫌いをハッキリ言える人は自己評価が上がる。