メニューを選ぶだけで、なぜそんなに時間がかかるのか
自己評価が低い人は、自分で決断しない。
自分で選ぶことには自信がないし、そもそも自分の好みも、ハッキリしていない。
そのため食堂で、何を食べるか決めるだけでも、さんざん迷ったあげく、他人と同じモノにしたりする。
自己評価が高い人の場合は、さっさと自分の食べたいモノを選ぶけれど、自己評価が低い人は、そうやってグズグズする。
自己評価が低い人がなぜそんなに迷うのかというと、「とにかく失敗するのが嫌」だかららしい。
食べるモノを選ぶくらいで何を失敗するのかとか思うが、自己評価が低い人は意外と欲張りで、その場で一番良い選択をしようとする。
食べるモノに迷うのなら、日替わり定食でも、シェフのおすすめでも選べば良さそうだが、自分の嫌いなモノが入っていたり、味付けが口に合わなかったりしたら嫌なので、微に入り細に入り細かく比較検討しようとする。
しかしそうしてさんざん考えても選べないため、他人が選んだものを自分も選ぶことにするわけだ。
自己評価が低い人が選択に迷うもう一つの理由は、自分が選んだモノを、他人がどう評価するかが気になることだ。
自分のセンスが悪いと思われないか、何でそれを選んだのか尋ねられることが嫌なのだ。
選んだものが周囲の者から褒められれば良いが、バカにされると非常に傷つくため、慎重に選ぼうとする。
その結果やっぱり選べなくなってしまい、最後はやはり他人の選択に乗っかることになる。
他人の選んだものに相乗りするだけなら、自分自身のセンスは疑われないからね。
ストレスがかかると、ちゃんと選べなくなる
自己評価が低い人が、モノを決められないのは、モノを選ぶという経験が足りないからだ。
たとえば親が過保護で過干渉だったりすると、必要なモノは全部親が用意し、子どもは自分でモノを選ばせてもらえない。
そのため選ぶという行為自体に慣れておらず、何をどう選べば良いかということもわからない。
つまり選ぶという経験が圧倒的に足りないので、自分の選択の基準を持っていないのだ。
そのため、いざ自分で選ぼうとすると、ロクなモノが選べないし、基準を持っていないので、いつまでたっても選べない。
また自分で選んだモノを誰かにバカにされて、嫌な思いをした経験があると、選ぶのが怖くなる。
自分の選択を否定されて嫌な思いをすると、また同じ事が起こるのではないかと選択に自信がなくなり、他人に選んでもらうほうがいいやと考えるわけだ。
一方、自己評価が高い人は、自分に自信があるので、他人からバカにされても自分の好きなモノを選ぶ。
その結果「センス悪いね」と言われても、自己評価が高い人は、自分で選んだこと自体を評価する。
たとえばテレビでたまにやっている「私服センス無し芸人決定戦」なんていう企画では、おしゃれにお金を掛けている芸人・タレントさん達が、自慢の私服を持ち寄って自慢のコーディネートを披露している。
しかしいくら値段が高い服を買って持っていても、色の組み合わせ方や、ガラの重ね方が下手なので、おしゃれで通っている芸能人から散々笑われている。
それでも笑われた点を改善して再度挑戦し、出場するたびにファッションセンスが良くなり、コツがわかっておしゃれになっていく芸能人も多い。
スキルというのはそうやって磨かれていくわけだが、自己評価の低い人は、笑われた時点でやめてしまう。